Aさんから教えられたこと・・・人間の尊厳
Aさんは、摂食障害と診断されたそうだ。
太ることへの恐れから、十分な食事がとれないようだ。
しかし、必要なカロリーを摂取するための工夫をしながら、頑張っている。
そのような状態の中で、アルバイトに精を出している。先日、過呼吸でアルバイト先から救急搬送されるということがあった。
学校へも頑張って通っている。しんどさを押し切ってテストを受けも行った。
いつ倒れるかもしれないようなギリギリの状態で、無理を押して、鞭打ちながら、学校へ、仕事へと自分を追いやっている。
「行かなければ、甘えてる、怠けている。」
Aさんはそう思っている。
教室に入れないことを
学校に行けないことを
休むことを
甘えだ。怠けだ。
と、自分を責めていたんだな。
今も、自分を責め続けているんだな。
だから、そんな自分に打ち勝つために、極限の状況の中で、自分に鞭打って、自分を追いやっているのだろう。
私は、これまで、間違ったメッセージを送って来たかももしれない。
自分で困難を切り開こうとしてきた。
料理をしたり、働いたり、頑張っている。
しんどくても、前向きに取り組んでいる頑張り屋だ。
周りの人たちの好評価。
などなど。
しかし、Aさんは、自分をダメな人間と思っている。だから、自分を鞭打って追い込んでいる。
これまで、自分を否定するような場面があったのだろう。
そうしたことの積み重ねが、さらに、自分を否定することにつながっているのだろう。
だから、私たちから見れば、よく頑張っているなと思うことでも、更に自分をがんばらせるしか、安心できなくなっているのかもしれない。
成長したなと思うこと、よくやってるなと思える事柄にしても、そこで甘んじることができないで、無理を重ねて、しんどくなっても、体を壊すほど、それ以上に自分を追い詰めていっている。
そうまでしても、Aさんは、自己肯定感を取り戻せてはいない。
そして、しんどくなっていく自分に対して、ダメだ、甘えている、怠けている、と、更に責めている。
私から見れば、すごい成長なのに、すごい頑張りなのに、もっともっと評価すればいいのに、評価できることなのに、自らの尊厳をいったん傷つけられた人には、それは受け入れられないことなのだ。
尊厳を傷つけられた人、尊厳を失った人には、すごいことをやってのけても、自らを評価することができない。
尊厳を取り戻すことは、それほど大変なことなのだ。
尊厳を傷つけるとは、それほどに惨いことなのだ。
だから、だから、人間の尊厳とは、とっても尊いものなんだ。
私にできること
自己肯定感、自己の尊厳を取り戻せるのは、自分自身でしかない。
寄り添うことしか、私たちにはできないのかも。
その寄り添い方が、また、本人を傷つけるかもしれない。
だから、そっとしておいてあげるのが一番かも。
だからこそ、
そこからの解放、自分を好きになって欲しい。
Aさんから学んだこと
人間の尊厳の大切さ。