なぜ、不登校になるのか

 

 文科省が設置した不登校に関する調査研究協力者会議で、不登校の要因についての議論があった。

 先生の捉え方(問題行動等調査)と当事者の思い(実態調査)に大きな開き(乖離)があるからである。

 二つの調査では、不登校の主な要因として「生活リズムの乱れ」「友達関係」は共通している点もあるが、前者では「無気力・不安」「親子の関わり方」が上位を占め、後者では、「先生との関係」「勉強が分からない」が上位を占める。

 不登校は、先生の目には子どもや家庭の課題として写り、子どもたちは先生や授業の問題と感じている。捉え方が180度違っている。

 これまで、不登校は、ややもすれば、子どもや家庭の課題があるかのように考えられ、不登校支援や施策はそのような立場で講じられてきた。でも、違うようだ。子どもたちは学校の在り方にこそ問題があると訴えているようだ。不登校は増え続け、19万人を超えた。

今回の協力者会議は問題の本質を見直す良い機会だったが、会議のとりまとめで「調査対象や調査手法の違いによる乖離」と片付けられてしまった。残念である。