不登校を成長のチャンスに・・・(事例その4)

【 H君の場合 】

H君は、高校を卒業後、地元の工場で働いている。

H君は、5月の修学旅行の後、学校に行かなくなった。

小学校へ入学してから、登校がしにくかったようだ。登校する時はいつもお母さんが学校まで送っていっていた。しかし、学年が上がりH君が成長し、体も大きくなり力も強くなってくると、無理やり学校へ行かせることが難しくなり

H君の不登校は本格的になった。

お母さんは、無理にでも学校へ行かせたかった。そんな時、担任の先生は、「無理に学校へ行かせるよりも、中学校へは自分の力で行けるようにしませんか。」と言った。

担任は毎日のように家庭を訪問した。学級では、H君の様子を伝えた。学級の子どもたちは、H君が病気でないと分かり、H君の家に行ったり、遊んだり、また、学校へ誘ったりした。

担任は土曜日には家族と話した。お父さんやお母さん、おばあさんと話し合った。家族は、H君の気持ちを理解し始め、自分たちの生活を見つめ直し、それまでばらばらだった夕飯を一緒に食べることにした。

2学期になると、友だちに誘われて学校へ来ることも増えてきた。3学期の中頃になると毎日のように学校へ来るように立った。

中学校は、ほとんど休むことなく通うことが出来、地元の高校に進学した。

 

Iさんの場合】

Iさんは、小学4年生の時に、教室に入れなくなった。

Iさんは甘えん坊で有名だった。1年生の頃から、休み時間になると担任の先生の膝の上に座ったり、甘えたりしていたそうだ。それが、4年生になって担任が変わり、甘えることが出来なくなった。

Iさんは、教室に居づらくなり保健室に行くようになった。担任は、Iさんの話を聞き、教室以外に空き部屋に居場所をつくった。

一方、Iさんの親は、Iさんが何かの病気ではないかと、いくつもの病院で診察してもらった。しかし、何処にも異常はない、と言われ途方に暮れていた。遠くに住むおばあさんは、Iは何かに祟られているとお祓い師を連れてやって来てくれた。遠くに住むおばあさんが、Iには何かに祟られているとお祓い師を連れてやって来てくれた。

Iさんは担任に、「今日はお母さんと病院に行ってきた。」「おばあさんが来てくれた。」と楽しそうに話していた。

そうこうしていると、お父さんが事故に合い、自宅療養をすることになった。

お父さんを心配しながらも、お父さんが家に居ることを喜んでいた。

家族みんなが自分のことを心配し、自分とのかかわりが増えていく中で、いつしか、Iさんの状況は変化していき、何もなかったかのように教室に入れるようになった。

Iさんが本当に関わって欲しかったのは、お父さんであり、お母さんだったのだと思える。